《PORTRAIT PROJECT》2012

『インターネット等を媒体にしたポートレイト』群を作る参加型アートプロジェクトです。

事の発端はFacebookの「友人になる」というボタン一つから始まりました。Facebook上で友人として登録したものの、一度もお会いしたことがない、もしくはあまりお会いしておらず、その後も何も関わる事がない方が非常に多くなり、このボタンの容易さが今の現代社会における人間関係の象徴の様にも思えてきました。 

 最近、やはりこういったSNS等が人気で、人と直接会わずして話したり、繋がったりできるのはとても便利だと思いますが、本当の意味で人間関係はブラウザ越しでしかなくて、とても希薄化しているように思います。もちろんそうではない場合もあります。このようにいろいろな人たちと会わずして交流ができることは私にとってもすごくありがたいことであり、重要なことでもあります。こういった場から作品などを通して繋がることができているのも、電子社会の恩恵を受けていると思います。ただ、一方で性別を誤魔化していたり、また悪いことに使おうとしたり、メールでも文章からは感情が読み取り辛く、ネットによっていじめ、犯罪が増えたりしているのもこういった人間関係の希薄化がひきおこしていると思いますし、こういった問題は現代人ならではと思います。そして、すごく危惧しなくてはならない事だと思います。よく電車や街中を歩いていても携帯電話やデバイスを片時も離さず、画面越しでやり取りをしている様子をよく見ますし、もちろん自分も例外ではなくいつのまにかそういう状態にどっぷり浸かってしまっています。
こういう状態を自分はどうにかしたいと思い、そのことについても表現したいと思うようになりました。もちろん今までの作品も人間を描くという点でそういった対人関係を描いてきましたが、それは近しい存在に対してで、このプロジェクトでは、もっと直接突っ込んだ形で、その対象者と、作品を描く事で良い面、悪い面も含めて向かい合い築いてみようという試みです。